植物を育てていくなかで元気がなく葉に欠乏症などの症状が現れた際にどうしてそうなってしまったのか、改善するためにはどうしたらいいのか、そんな問題を解決できるように今回は葉面散布について紹介したいと思います。
初めにするべきこと!
植物に欠乏症などの生育不良が見られる場合、葉面散布を行う前にまず初めに確認するべきことは次の4つです。
① 生育環境の確認 (光量、室温、湿度、空気の循環状態など)
② 土壌のph・EC値の確認(水耕栽培なら培養液のph・EC値)
③ 根の状態確認 (根の肥焼け・根詰まり・根腐れしていないか)
④ 地温の確認 (水耕栽培なら培養液の液温)
しっかり確認したうえで不調の原因を絞っていき適切な処置を施します。簡単ではありませんが日頃から植物を観察をしっかりすることで経験値として身に付きますので心配いりません。
葉面散布とは?
植物の葉に直接、溶液を散布する方法で主に微量要素欠乏症対策として用いられてきました。植物の養分が不足すると欠乏症として葉に症状が現れます。通常、葉よりも根からの養分吸収量の方が多いが要素によっては根から葉まで到達するまでには少し時間がかかります。葉面散布は葉に直接養分を与えるため、即効性があり、植物が必要としてる養分量に供給量が満たない場や根部障害(肥料焼け・根詰まり・根腐れ)により根からの養分の吸収不良が生じた際に現れる欠乏症や生育不良がみられる場合に、根本的な原因を掴むまでの応急処置として効果があります。しかし、効果は一時的なものとなり根本的な原因が解消されるわけではありません。そのうえ、やり方を間違えると葉焼けが起きたりかえって悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。開花期にはリン酸を散布すると花つきが良くなるなど時期に応じて散布することで得られる効果もあります。
失敗しない葉面散布のコツ
植物を回復させようと葉面散布した結果、散布溶液の養分の濃度が過剰な場合に葉に肥焼けが生じるなどして失敗してしまうことがあります。濃度が濃すぎると植物に致命的なダメージを与え、その後の生育に影響が出ます。その為、葉面散布に液肥を使用する際は表記されている希釈倍率よりもさらに薄めた濃度で葉面散布するようにして下さい。その際にも植物の生育不良が何の要素の欠乏によるものなのかを判断して、不足している要素を散布してあげる必要がありますがその判断基準はいろいろな要因が絡んでいるためとても難しいといえます。液肥ではなく活力剤を使うことで一気にこの問題が解消されます。
(例) 葉面散布が原因での葉の焼け
〈原因〉散布溶液の濃度が濃すぎる
〈要因〉液肥の希釈倍率の調整ミス
不足要素の判断ミス
強い日差しにより急速に乾燥して結果的に高濃度になる
〈対策〉液肥は、記載されている希釈倍率より薄めに調整し回数を増やして対応する
液肥ではなく活力剤を使用する
昼間の日差しの強い時間帯ではなく朝か夕方に葉面散布する
植物活力剤を使うのが散布溶液の濃度を気にする必要がないのでおすすめです。僕も基本的には活力剤(HB-101)を使って葉面散布しており液肥はあまり使ってはいませんがカルシウム欠乏は起きやすいのでその際はカルシウムの液肥を薄めに使用したりしています。定期的に活力剤で葉面散布し欠乏症の予防して元気に育てています。
薄めにして散布回数を増やすか植物活力剤を使う!
より効果的に与えるための4つのポイント
①葉面散布は葉に直接与えるため、雨に当たると流れ落ちてしまうので室外の場合は天気
予報を確認しておく。
②露のついているタイミングを避け、気温の上昇する前の朝か落ち着いてくる夕方に散布
する。
③根は地温(培養液の液温)が15℃を下回ってくると活動が弱まり養分の吸収効率が悪
くなるので冬期間は葉の状態をよく確認して不足分を葉面散布で補う。
④古い葉よりも成長する新しい葉が吸収率が高いので肥焼けが起きやすい箇所である。