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【一手間加えるだけで植物の生育が改善される?!】塩素とクロラミン

みなさんは水耕栽培を始めてみて野菜など植物の成長が思うようにいかなっかり、培養液の入れ替えた後なのに元気がなくなったなんて経験などは有りませんか?

水耕栽培における水とは土耕栽培でいうところの土に当たります。そのため、水質は生育に大きく影響があるということは容易に想像できると思います。

例えばプランターでの栽培やお家の庭、畑では水道水をそのまま使用しても何ら問題もありません。しかし水耕栽培となると野菜の成長に大きく影響してしまう場合があります。その為、水耕栽培のやり方によっては重要なポイントにもなります。

水耕栽培で使用される水とはつまり水道水です。日本の水道水は厳しい管理基準のもとで管理されているので特に心配する必要はありませんが皆さん知っての通り水道水には塩素が含まれています。その塩素が水耕栽培では植物にとって悪影響が出る場合があります。塩素抜きという一手間加えるだけで問題が少しでも解決でき、手軽に実践できるとなるとやってみて損はないと思います。

【一手間加えるだけで植物の生育が改善される?!】

通常、根は真っ白く健康的ですが茶褐色になってしまう事があります。根部褐変や生育抑制がみられる場合、クロラミンによるものなのかまたは酸素不足によるものかが疑われます。クロラミンが植物の生育に悪さをしている場合、水道水の塩素抜きは効果があると言えます。

■塩素抜きの方法】

いくつかの方法がありますが最も経済的ですぐに取り組める塩素抜きとして、水道水をバケツなどに汲み置きして一晩おく方法があります。最低でも6時間以上はおいておく必要があります。日光に充てる事で少し早める事もできるみたいですが室内栽培ということと寝る前に準備しておくのが良いとおもうので前もって準備しておくといいです。また、浄水器を使用することで塩素除去しさらに効果的に塩素抜きが可能です。僕は浄水器(カートリッジタイプ)を使用したうえでバケツに汲み置きして塩素抜きを行っています。

ただし、塩素を含まない水の中では雑菌が繁殖しやすく保存が効かないので使用する分だけを毎回使い切り、培養液の作り置きはしないで下さい。

■なぜ塩素抜きが重要なのか【塩素とクロラミン】

植物の根も老化やストレスにより枯れ、そしてまた新しい根を生み出してを繰り返し成長していきます。枯れた根は水中で微生物によって分解されてアンモニウムイオンと亜硝酸に変化します。これらは植物にとって良いものではないがバクテリアによって硝酸塩という肥料成分に変化させることで無害化していきます。
クロラミンは培養液中で水道水に含まれる残留塩素とアンモニウムイオンが共存した時に生成されます。アンモニウムイオンは肥料成分でもあるためクロラミンの生成を回避するには残留塩素を除去することとなります。しかし、バクテリアは塩素にとても弱いという特徴があります。その為、残留塩素がアンモニウムイオンと亜硝酸を無害な硝酸塩に変えてくれるバクテリアを殺してしまうことで塩素とアンモニウムイオンが共存することとなりクロラミンが生成され植物にダメージを与えてしまう事に繋がります。つまり、塩素が直接的な原因ではないがバクテリアを殺してしまうことでクロラミンが生成されて根部褐変が起こるということです。

また、塩素が十分に抜けていない水道水を使って培養液を作りエアポンプでエアレーションをしているとPHが上昇する事がよくあり、ph6に調整していても次の日にはph7を超えているなんて事も起こります。

その為、水道水の塩素抜きは水耕栽培で野菜を元気に育てるうえで重要なポイントと言えます。

クロラミンが植物の生育に悪さをしている場合、ただ水道水をバケツなどに汲み置きして一晩おいて塩素抜きをした水を使用する。それだけで植物の生育が少し改善される場合があります。

とくに、水耕栽培の中でも根が常に培養液に浸かっているタイプの場合(DWC)などはクロラミンの生成が起こりやすいと言われいます。構造も単純で初心者でも取り組みやすい栽培方法でもあるため塩素とクロラミンについて理解しておくことは大切だと言えます。


■酸素欠乏による根部褐変

酸素欠乏により根ぐされなどが起こる事もあります。この場合、培養液中の溶存酸素量が低下して肥料成分も吸収できなくなり植物の生育は阻害されます。植物も大きくなるにつれて酸素の必要量も増えていきます。必要酸素量に対してエアーポンプの容量が間に合っていない場合に起こります。また、水温が上がると培養液に溶け込める酸素の量も低下するためエアーポンプの容量が間に合っていても溶け込めないため酸素欠乏状態になる事もあるのでエアーポンプの容量と水温の管理も重要となります。水温25℃以上となると溶存酸素量は低くなり生育に影響が出ます。エアーポンプの容量が大きすぎると熱を持った空気が送り込まれることとなり培養液の液温を上昇させる原因にもなるため水耕栽培の環境に合わせて選定する必要があります。また、液温が25℃となると藻やカビが発生しやすくなりさらに環境悪化させてしまうので液温は20℃を目安に管理するようにするといいです。